| ◆特性 |
| 珪酸ソーダガラスの融点 |
はっきりとした融点は示しませんが、大体550〜670℃の
間で軟化し、730〜780℃の間で流動を始めます。
現在市販されている珪酸ソーダの中では、無水メタ珪酸ソーダが最も高い流動点を示します。(真の融点1089℃)
図-1にNa2O-SiO2系の状態図を示します。 |
 |
| 種類 |
珪酸ソーダは一般にNa2O・nSiO2・mH2Oの分子式で表され、係数n即ちSiO2・Na2Oの分子比がモル比と呼ばれ、SiO2及びNa2O成分の重量比とモル比の関係は次の式で示されます。
モル比=重量比(SiO2%・Na2O%)×Na2Oの分子量/SiO2の分子量=重量比(SiO2%・Na2O%)×1.032
珪酸ソーダの物性と用途はモル比によって異なり、現在n=0.5〜4.0位の範囲で生産されています。nが1以下のものは結晶性珪酸ソーダと呼ばれ、nが1以上の物は非結晶性でモル比を連続的に変化させることが可能で、水溶液あるいは粉末品として市販されています。一般に水ガラスや珪酸ソーダと呼ばれているものは水溶液のものです。
図-2にNa2O−SiO2−H2O三成分系の等温断面を示します。
1はオルソ珪酸ソーダを含む高アルカリ混合物
2はメタ珪酸ソーダ及びその水和物のアルカリ結晶領域
3は工業用ガラスが生産される領域
4は水和無定型粉末領域
5は工業用珪酸ソーダ溶液が生産されている領域
6は部分的に結晶化した混合物
7は水和ガラス
8は半固体状物質
9は非常に粘稠な液体
10は非常に希薄な液体
11は不安定な液体とゲルなどの領域です。 |
 |
| 構造 |
珪酸ソーダの溶液は種々の量の珪酸イオンモノマー、ポリ珪酸イオン及びコロイド状珪酸イオンミセルなどを含み、これらのタイプ、分布及びイオンとミセルの大きさは、珪酸ソーダの種類、つまりSiO2/Na2Oのモル比と濃度に依存することが知られてます。モル比が1(メタ珪酸ソーダ)あるいは、それよりモル比の低いものについては、主として珪酸イオンモノマーが存在し、高モル比の溶液については、珪酸イオンモノマーのほかにダイマー(二量体)さらにポリ珪酸イオンミセルが含まれます。ポリ珪酸イオンミセルの濃度はモル比が高くなるにつれて増加します。
図-3に光散乱法によって測定した珪酸ソーダ溶液の平均分子量を示します。 |
 |
| 比重 |
比重を表す場合、ボーメ度(重ボーメ度)を用いる場合がます。
ボーメ度の計量法での定義は、”1から比重を表す数値の逆数を減じた数値を、144.3倍した値”ということになっています。
詳しくはカタログからダウンロードしてご覧下さい。
カタログ(約2,436KB) |
| 粘度 |
珪酸ソーダ溶液の粘度はモル比、濃度、温度などによって著しく変化致します。
即ち濃度が同じ場合、より高モル比の方が粘度は高くなります。
また、同モル比の場合は、濃度が高いほど温度変化に伴う粘度変化は大きくなります。図-5 |
 |
| pH |
珪酸ソーダ溶液のpHは、モル比及び濃度によって変化します。また、酸での電位差滴定によれば、珪酸ソーダのpHは、ほとんど中和が完了されるまで維持されることが分かり、リン酸塩のようなアルカリの2倍程度の緩衝作用があり、この緩衝作用はモル比が高いほど大きくなります。
図-6にモル比とpHの関係を示します。 |
 |
| 凝固点 |
珪酸ソーダ溶液の凝固点は、3号珪酸ソーダでは約−3℃ですが、1号珪酸ソーダではボーメ度が52以上のものはマイナス50℃になっても粘度は高くなるものの凝固はしません。
尚、凝固した珪酸ソーダは加温することによって元の溶液に戻りますが、不均一な溶液となることがありますので、十分に撹拌する必要があります。
|
 |
| 比熱 |
現在市販されている珪酸ソーダ溶液の比熱は、0.7〜0.9Kcal/kg(25℃)程度で、濃度が同じであればモル比の高い方が比熱は小さくなり、モル比が同じ場合は濃度が高い方が比熱は小さくなります。 |
| 科学的性質 |
◇酸との反応 |
珪酸ソーダ溶液に酸を添加すると、アルカリの中和につれpHが低下し、珪酸イオン又は、ポリ珪酸イオン同士の重合(シロキサン結合の生成)が進み、粘度が上昇します。さらに進むとゲル状に硬化します。例えば硫酸との反応は次のようになります。
Na2O・nSiO2 + H2SO4 + (m−1)H2O → nSiO2・mH2O・NaSO4
粘度の上昇、ゲル化の速度は、酸の種類、量、濃度、温度によって異なりますが、約pH1.8で最も遅くなり、約pH7.5の時に最も速くなります。また、pH10.2以上では安定な溶液となります。
図-8に硫酸を用いた場合の3号珪酸ソーダの濃度とpHとゲルタイムの関係を示します。 |
 |
| ◇多価金属イオンとの反応 |
珪酸ソーダ溶液は、Ca、Mg、Al、Baなどの多価金属イオンと反応して、不溶性の珪酸塩金属水和物や珪酸などを同時に生成してゲル化します。例えば水酸化カルシウムとの反応は次のようになります。
Na2O・nSiO2+ Ca(OH)2 + mH2O → CaO・nSiO2・mH2O・2NaOH(一部SiO2になります)
このような反応で得られる珪酸化合物は、金属イオンと珪酸イオンとの存在量に応じて種々の比率の物が生成します。 |
| ◇有機化合物との反応 |
| グリオキザールなどの多価アルコール、酢酸エステルは、ともにアルカリ存在下で酸を生成し、中和反応により珪酸ソーダをゲル化させます。エチルアルコールなどの有機溶媒を加えてもゲル化しますが、これは単なる脱水によるもので、水を加えると再び溶解します。 |
|
 |